PHOTOSに掲載している作品の著作権は谷口光子に帰属します。


 Sign 街

都市の風景を撮影したものです。

朝方、夕方、明かりがついているのを見かけると、確かにそこにいる人の気配が伝わります。

 

Sign 東北

 

約2年前、東北の被災地を撮影してまわりました。まだ瓦礫が残っていたり、瓦礫が撤去されて何にもなくなっていたり。

荒涼とした風景と空気に言葉を失いました。

そんな風景の中の小さい灯りに少し救いを感じました。

東日本大震災から5年になります。

東北の人たちが灯りを見失わずに、前に進んでいらっしゃることを願います。

Women  かかあ天下

  上州の女性は「かかあ天下」と呼ばれます。いったい、「かかあ天下」の女性たちとは、どんな人たちなのか。

 中之条町とその近辺の女性たちにご協力いただき、台所を撮影させていただきました。台所には、女性たちの知恵と工夫と哲学が詰まっています。それぞれの台所が、そこを使う女性の作品でもあります。写真を構成することで、「かかあ天下」を表象できればと思いました。

 生まれた時からずっと中之条町で生活している方、遠くからお嫁にいらっしゃった方、あるいは中之条町が気に入って移り住んだ方など様々です。「かかあ天下」は明治時代の絹産業を担った女性たちを表す言葉です。撮影を進めている期間中に、「かかあ天下 ぐんまの絹物語」が文化庁の指定する日本遺産の第1号に認定されました。「かかあ天下」は既に歴史遺産でしょうか。現代では失われたものでしょうか。

 

 ある女性からは「せっこうがいい(働き者だ)」という方言を教えていただきました。多くのお宅で自家製のお漬物や干し柿などをご馳走になりました。「うちよりもっときれいにしているお宅はたくさんある」と言う女性の台所ほど、よく整理され、機能的でした。

 

 「かかあ天下」という言葉は、はたらきものの女性たちに対する敬愛の念などが込められていると同時に、女性たちの矜持を含んでいます。

WOMEN   ~If I can stop one Heart from breaking, I shall not live in vain~


 様々な年代の女性達の台所を撮影した。台所は女性にとって、あまり人には見せたくない場所である。そこには、彼女達の価値観や知恵や感慨、年代ごとの時代背景やジェンダーも含め、様々なものが堆積している。顔かたちや服装には表れない、彼女達のアイデンティティの基礎となっているものが台所には表れている。

 私は、ジェンダーに疑問を抱きつつ生きてきたが、この作品は女性達が求められるジェンダーとどうやって折り合いをつけているのかという社会調査でもある。

 副題はエミリー・ディキンソンの詩より引用したもの。

 現在、約60枚ほどになっており、今後も増やす予定。その中の6枚。